本棚を整理していたら、

随分と前に買った本が出てきた。

人材輩出企業として有名なリクルートの創業者江副浩正氏が東大在学中に起業し、創業から事件で辞めるまでの約30年間の経験について語った〔 リクルートのDNA 〕。

彼の理念や信条がざっくばらんに語られていて江副氏が大切にしている言葉や松下幸之助などの偉人のエピソードも紹介されていて実に読みやすく「回顧録」的な体裁で書かれているので、いわゆるビジネス書の感がない。

 

「急ぐ仕事は忙しい人に頼む方がいい」など江副語録が列挙されている。普通に考えれば、「オイオイそんなわけないだろう( ゚Д゚)」と思うが、基本的に忙しい人のもとには業務が集中し、そのため忙しい人はさらに忙しくなり、圧縮付加によりその人の能力はガンガン上がっていく。

 

だからこそ、スピードが求めれられる仕事は優秀な人材に任せる方がいい=忙しい人に任せる方がいい。

 

「忙しさ」と「仕事量」には因果関係はなく、単純に当人が仕事に追われているかどうかという当人の意識の問題が大きいと…。

 

心に余裕が持てるかどうかの方が重要で「貧すれば鈍す」「窮すれば通ず」そのような感じなのだろう。

江副氏一番の功績は、「 社員皆経営者主義 」

「 社員皆経営者主義 」   を掲げ、創業者が持っていたベンチャーマインドを、リクルートの企業風土にまで根付かせた点であろうと個人的に思った。現実にリクルートOBがどんどん独立してすばらしい仕事をして成功しているのを見ると、実はリクルートでの経験こそが起業家への近道ということかもしれないとも。そういう見方で推察すると、いわゆるプロフィットセンターの運営や大学のサークル的風土、事業撤退時に皆で飲んだり、退職=卒業ということが、実はリクルート=「起業家のための学校(予備校)」なのでは。。。。ともいえよう。

成功するベンチャー企業には、なぜリクルート出身者が多いのか?ずっと不思議だったのだが、読み終えて疑問が晴れたように思う。

 

「社員全員が経営者」であるべき、そんな理念を掲げ、システムを構築したからこそ、そこにふさわしい人材が集まってくるのだ。そして、優秀な社員が次の活躍の場を求めて転職・独立する、しかしそれ以上に優秀な人材がそぞろ集まってくる・・・人材の流動性が激しくても「軸がぶれない」リクルートの経営の根本が読みとれた。

会社の中に小さな会社をつくる”プロフィットセンター(PC)制を導入した。30歳前後の社長(課長)を中心に社内で小さな会社が互いに切磋琢磨し、競争を続ける。

時代はどんどん変わる。変えてしまう人がいるから変わる。変わることを好まない人も、それがユーザーにとって便利であれば、しくみもモノも変わっていく。リクルート社、新しいビジネスモデルを生み出して急成長したので面白くないと感じた財界人もきっと多かったことだろう。

若手抜擢。社員同士を切磋琢磨できる風通しの良い環境。

ホリエモンや楽天の三木谷浩史のようなギラギラした「起業家」。。。江副氏にそんなイメージはあてはまらない。

 

リクルート事件は、今となってはその違法性にも疑問が残るといわれる。検察による国策捜査の犠牲になっていなければ・・・才能をつぶしたツケは実に大きいのではないか。

 

円安や株高に沸いた「アベノミクス」。2017年、日本経済はどこへ向かうのか。

 

 

江副氏は足下がおぼつかない日本経済をどのような気持ちで見つめているであろう。

これを読んでくれた開明グループ・東進生もこのリクルートの創業者江副浩正氏の名前をぜひ覚えておいて欲しい